柏崎刈羽原発事故時の避難路確保について

 8月24日付け新潟日報に、柏崎刈羽原発事故時の避難路確保について県知事、市長、村長の3氏が北陸道にスマートインターチェンジ新設などを要望したとの記事が掲載されました。

 新潟日報の記事を抜粋して以下に記します。
 要望内容(北陸道の柏崎市曽地と上方の2か所にスマートICを新設、米山ICの移設、県道柿崎小国線のトンネル化、柏崎バイパスの早期全線供用など5点)を巡っては3者の間に考え方の違いが垣間見えるとの記事である。記事によると、柏崎市長は荒天時に国道8号の米山大橋付近で通行止めが発生することから米山ICを東側に移設することを重視している。県知事は、米山ICの移設はハードルが高く懐疑的なスタンスということだ。県が本命視するのは原発から約4km南東の曽地へのスマートIC整備だ。背景には県が2021年に行ったシミュレーションがある。原発から半径5km圏の即時避難区域(PAZ)にクラス住民の9割が同30km圏外に避難し終えるまで、標準的なシナリオで13時間40分かかると試算。一方、措置にスマートICを整備すると避難が約4時間40分短縮できるとした。ただ、市によると、曽地は柏崎市民の多くにとって避難方向とは逆の原発寄りに当たる。市側にすれば「事故時に原発に近づく避難はあり得ない」と語る。とはいえ整備費用を国費で賄うべきとのスタンスは一致している。スマートICの建設費用は20億~30億とされ、ICの移設やトンネル化にはさらに多額の費用が見込まれる。(新潟日報記事抜粋)

 私はこの意見の違いなどについて以下のように考えます。
 まず、8号バイパスの早期全線供用について異論はないと考えます。
 次に、県道柿崎小国線のトンネル化ですが、これは野田から柿崎に抜ける小村峠のトンネル化ですが、あとは国が判断すべきと言っても費用や整備期間を考えると非常に困難な事業であり、難易度が高いと考えます。
 次に、米山ICの移設ですが、これも今あるICを動かすというのは大変な事業と思います。代替案に示されてもいると思いますが、米山SAへの緊急進入路の整備が妥当ではないかと考えます。避難ということであれば、柏崎側から上越方面への通行を確保することなので、米山SAの搬入路を改良して大型バスの通行が可能なようにすることで、いざという時に北陸道を利用することができると考えます。
 スマートICについては、避難経路の多重化・輻輳化を図るという観点から整備できるものはすべて整備していくべきと以前からずっと考えているところです。
 国道353号の上方については、設置については良いのですが中心市街地からは国道8号を渡る必要がありますが、交差部が十字路ではなくクランクになっていることから市街地から上方へ進む場合の通行制御が難しく、大渋滞が発生するのではないかと心配します。市からは上方スマートIC設置というばかりで、そこに至る道路の改良等の必要性については、どのように検討したのか聞いてみたいところです。

 国道8号の曽地については、私も以前から必要性を訴えてきたものですし、他の要望個所と異なり、地元町内会などからも整備について請願が出され市議会でも全会一致で採択されたと承知をしています。
まず、原発から5km圏の即時避難区域(PAZ)内に設置するICであることと国道8号という幹線道路と直結することから重要であると考えます。原子力発電所との位置関係から市では南西方向へ避難することから重要性を低く評価しているようですが、5km圏の即時避難区域の市民が一般道を使って南西方面へ避難しようとする場合に、5km圏の外側の住民の皆さんも3割とか4割避難を開始するというアンケート調査結果があったと記憶しています。そうした場合、5km圏内の住民は避難しようとする方向にすでに車が溢れていて避難しようにもできない恐れがあると考えます。また、海岸沿いに進むことを想定してもいるようですが、東日本大震災を踏まえると海沿いに避難するルートを選ぶ人はどのくらいいるのでしょうか。また、海岸線の道路などから8号線に合流するところで渋滞が発生する可能性が高いのではないかと疑問が残ります。市幹部の発言にあるように「事故時に原発に近づく避難はあり得ない」ということなら、曽地のスマートICに5km圏外から殺到することはないと言え、5km圏の即時避難区域の住民の避難に資するものと考えます。
さらに言えば、荒浜からの避難路として荒浜中田線を利用することになっていると思いますが、松波からの松波栄田町線の整備が止まっているところから8号或いは8号バイパスまで接続できるよう事業を再開にすべきではないでしょうか(難しいかもしれませんが)。そして、避難途中で避難民がバイパスを西に向かったら良いのか、高速にいち早く乗ったほうが良いのか判断して避難者量が分Sんされることが大切ではないでしょうか。
 また、曽地は柏崎市民だけでなく原発から南東側の刈羽村民にも重要な避難経路であると考えます。道路網などの条件で村長も刈羽村内にこだわらず曽地に設置することが一番地域に資すると判断していると思います。

 報道によると、桜井市長は、「再稼働を国として考えるなら要望事項をしっかり進めてほしい。それが前提になると大臣にも申し上げた。」と強調したそうですが、原子力発電の必要性を認める立場の市長の発言として、また、知事、村長とともに要望したことに対しての発言としては配慮を欠いていると思います。
 現状のPAZ、UPZの区分による避難の順序、タイミングなどの状況を踏まえるとともに、全体的な避難路整備の必要性だけでなく、市だけの問題ではないことも考慮すべきではないだろうか。

 花角知事、桜井市長、品田村長には、「国の責任」で避難路を整備するとなれば、整備する順序などに拘らず、スピード感を持って取り組んでいただきたい。ご自身の考えにばかり拘泥せず取り組んでいただきたいと願うばかりです。

 柏崎刈羽原子力発電所の安全性を高め事故のない発電所を目指すことが重要なのは言うまでもありませんが、万が一のための施設としてスマートIC等が早急に整備されるよう私も引き続き全力で取り組んでいきたいと思います。