与口よしゆき~観光政策編~

観光庁の資料によると、
定住人口1人当たりの年間消費額は平均で約125万円です。つまり、1人人口が減れば、地域で消費される金額が年間125万円少なくなるということになります。訪日外国人旅行者、国内旅行者の平均的な消費金額から定住人口1人当たりの年間消費額(125万円)は、旅行者の消費に換算すると、

外国人旅行者     8人分 平均消費金額 15万3,921円
国内旅行者(宿 泊)25人分    〃     4万9,625円
国内旅行者(日帰り)80人分    〃     1万5,602円
 ※但し、これは旅行1回あたりの消費額で、宿泊費、飲食費、交通費(国内移動)、娯楽サービス、買い物に消費した合計です。

 たしかに、単純計算では、訪日外国人旅行者(インバウンド)8人分という計算になります。
 しかし、外国人旅行者が柏崎だけで宿泊や買い物などの消費をすべて行う訳ではないので、単純に8人来てくれたら定住人口1人分の消費を補うことにはなりません。そして、外国からとか国内からとかの旅行者を問わず、買いたくなるサービスや物産を用意する必要があります。言ってみれば、外国の方であろうが国内旅行者であろうが、宿泊してくれるか、飲食してくれるか、サービスを買ってくれるか、買い物してくれるかなのです。
 しかも、インバウンドなど旅行客に来てもらうためには相手に対し広告などのPRをしなければなりません。

2017年度のデータ
                旅行者数    / 消費額(1回あたり)

訪日外国人         :  約2,800万人  ➡4兆円

日本人の国内旅行客(宿泊) : 3億2,572万人  
日本人の国内旅行者(日帰り): 3億2,236万人  ➡合計 21.1兆円

 たしかに訪日外国人観光客は増加しており2018年は3,119万人となり、将来に向けて対応していく必要がありますが、まだまだ国内旅行者をメインターゲットにする必要があります。
 しかも全国や首都圏をターゲットにするするのではなく、柏崎までクルマで2~4時間かかるエリアをターゲットにするとか、都市部ではなく地方の人を敢えてターゲットにする戦略が必要です。であれば、居住地を限定することでPR密度を高くすることもできます。

 残念ながら、柏崎・刈羽は京都や横浜などのA級観光地と競争しても勝ち目はありません。周辺地域からの旅行客を惹きつけることが出来ない所が遠く離れた地域からの旅行客を引き付けることは難しいと思います。
 まずは、柏崎刈羽の魅力となるものを場所であれ、モノであれ、コンテンツの拾い出しをして、磨きをかけることが大切で、これがシティセールスの重要な役割だと私は思います。

 例えば、柏崎には木村茶道美術館がありますが、このPRをするならば一般紙にするのではなく、茶道関係の雑誌にだけPRすることでかなりの効果が期待できます。また、そういう方々には、コレクションビレッジや飯塚邸、綾子舞、高柳の貞観園などへの関心を持っていただけるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。こうしたものをパッケージにして滞在時間を伸ばす工夫をしなければならないと考えます。

 柏崎刈羽を訪れる人がどれだけの時間を過ごすのか、過ごしてもらえるのか、滞在時間をいかに伸ばすことが出来るかが大切なところです。